2006.04.29

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4月29日朝のシュヴァスマン・ヴァハマン彗星 (Comet C/73P Schwassmann-Wachmann, Apr. 29, 2006)

4月29日朝のシュヴァスマン・ヴァハマン彗星 (シュワスマン・ワハマン彗星) ~ Comet C/73P Schwassmann-Wachmann

4月29日朝のシュヴァスマン・ヴァハマン彗星 (シュワスマン・ワハマン彗星) とかんむり座 ~ Comet C/73P Schwassmann-Wachmann in the constellation Corona Borealis the Northern Crown
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたB核の分裂 -- Breakup of C/73P fragment B taken by Hubble Space Telescope
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたばらばらになりつつあるB核 ~ Breakup of C/73P fragment B taken by Hubble Space Telescope (STScI PRC06-18)
Credit: NASA, ESA, H. Weaver (JHU/APL), M. Mutchler and Z. Levay (STScI)

上の2枚の画像は、私が撮影した4月29日朝のシュヴァスマン・ヴァハマン彗星 (シュワスマン・ワハマン彗星) (Comet C/73P Schwassmann-Wachmann) です。1枚目の画像は、中望遠レンズ (100mm) および望遠鏡で撮ったB核・C核の画像を綺麗にレイアウトしてみたもの。2枚目の画像は100mmレンズによるノートリミングの画像で、かんむり座の全景と一緒に写っています。

この彗星は1995年に太陽に接近した際に分裂を起こし、現在は数十個のミニ彗星になっていることが確認されています。その中でも比較的明るいのが上の2枚の画像に写っているC核・B核と呼ばれる破片です。今も分裂を繰り返しており、つい先日よりB核とG核がそれぞれ分裂しつつあります。右の画像はハッブル宇宙望遠鏡が捉えたB核の分裂の様子。さすがハッブル、凄い画像ですね!

この彗星は5.4年周期で太陽のまわりを巡る短周期彗星なのですが、小柄であるために地球に充分に接近したときのみ比較的明るく見えます。今年は地球から約1200万km (地球から月までの距離の約25倍、地球から太陽までの距離の約0.08倍) という至近距離にまで接近するため、観測条件が良好です。(地球に衝突するかもしれないというトンデモ説も流布されてますねw でもそんなことはありませんのでご安心を)

この彗星が地球に最も接近するのは5月13日ですが、その頃は満月前後の月明かりがあり、淡い彗星は見え辛くなります。そのために月明かりの影響のないこの連休中が観望好機です。私がこの日の朝見た限りでは、天の川がかろうじて見えるコンディションの空で、最も明るいC核なら8倍42mmの双眼鏡でしっかり確認できました。でも尾はよくわからなかった(^^; 双眼鏡より望遠鏡で見たほうが楽しめるかも。また、肉眼では確認できませんでした。

これからどんどん地球に接近するために連休終わりにはもう少し明るくなりますが、このままいくと肉眼で見えるようになるかどうかは微妙なところかもしれません。ただし、この彗星は今も分裂を繰り返しており、2番目に明るいB核と3番目に明るいG核に関しては、分裂の詳細がハッブル宇宙望遠鏡などにより捉えられています。

もし一番明るいC核が分裂を起こせば、急に明るくなる可能性も。連休が過ぎて月明かりの影響が出てきても、運良くC核の分裂が起これば見易くなるかもですし、距離も近くなるため、アマチュアの望遠鏡でもそのディテールを少しでも抽出できるチャンスが増すかもしれません。連休中もその後も含めて今後の経過に注目したいところですね。

加えて、この彗星は、1930年5~6月にピーク時において1時間あたり数十個程度の活発な活動が観測され、それ以後はほとんど観測されていない幻の流星群、ヘラクレス座τ流星群 (Tau Herculids) および5月うしかい座α流星群 (May Alpha Bootids) の母天体と見られており、今年は地球軌道と彗星の軌道が近いために久しぶりに流星群の活動があるかもしれないとも言われています。活動があるとすれば、5月22日前後。活動があるとしても流星数はそれほど期待できず、微光流星が多くて見辛いかもしれないとも言われていますが、一応注目しておきたいところです。(この流星群に関しては近々別の記事でもう少し詳しく紹介するつもり。)

さて、記事冒頭の2枚の画像について補足説明します。まず、1枚目の画像は、中望遠レンズおよび望遠鏡で撮ったB核・C核の画像を綺麗にレイアウトしてみたものです。中望遠レンズによる画像は、EF100mmF2 を F2.8 に絞り、KissDN の ISO400 で180秒露光の一枚撮り。こんなあっさり露光でも意外と綺麗に写るものですね。望遠鏡による画像は、セレストロンC8シュミットカセグレン式望遠鏡 (口径20cm/F10) + F6.3 レデューサー使用、それぞれ KissDN の ISO1600 で30秒露光×15コマを彗星核基準でコンポジット。赤道儀はタカハシEM-1、ノータッチガイドです。中望遠レンズによる画像も望遠鏡による画像もトリミングしてあります。撮影地は鉢伏山 (富山県砺波市)。天の川がかすかに見えるようなコンディションでした。

望遠鏡による画像は、比較しやすいように露光も画像処理も揃えてあります。画像処理は Canon RAW Image Task にてリニア現像後、ステライメージ5でダーク補正、彗星核基準コンポジット (拡大画像のみ)、デジタル現像、Photoshop 5 にてトーンカーブ補正、彩度強調。EM-1 赤道儀でC8をノータッチガイドするのはただでさえかなり無理があるのですが、今回は風があったためにブレていつも以上にぼけぼけになりましたw でもこうしてレイアウトしてみると意外と鑑賞に堪える・・・かな・・・?(^^; 恒星が線状になっているのは、移動する彗星の核を基準に複数の画像をコンポジット (合成) してあるためであり、線が途切れ途切れなのは、ガイドがあまりに流れた画像を省いてあるためです。撮影にかかっている時間はC核で11分、B核で20分ぐらいなんですが、この短時間の間にこんなに動いているわけです。見かけの移動速度が速いことがわかりますね。

2枚目の画像は100mmレンズによるノートリミングの画像。かんむり座の全景と一緒に写ってます。右下の明るい星が王冠の中心の宝石にあたる部分なのですが、美しい王冠の姿がわかるでしょうか? なお、この画像では、恒星の輝度差や色彩を強調するために擬似ソフトフォーカス処理をかけてあります。これは、ぼかした画像を加算することで実現しています。

(この記事はまだ書きかけです。もうちょこっと追記する予定)

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