2006.07.21

天文 (Astronomy) : 今後の流星雨の可能性は? (Possible Future Meteor Storms)

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2001年のしし座流星群 -- Leonids 2001 Storm

2001年のしし座流星群 撮影=田子 周作
Leonids 2001 photo by Shusaku Tago

毎年11月中旬に出現するしし座流星群は33年毎に大出現を見せることで知られ、最近では1999年、2001年、2002年に大規模な出現を見せました。その中でも2001年は大出現の時間帯が日本時間未明にあたり、月明かりもなく絶好の条件だったため、見た方も多いのではないでしょうか。ピーク時には1時間あたり3000個にも達したその出現は、まさに流星雨、いや流星嵐とも言えるものでした。

今後このような大規模な流星群の出現に巡りあう機会はあるのでしょうか。そんな可能性に関して、ベルギーの Tonny Vanmunster 氏が、現在わかっている範囲で、2030年までの流星群の大出現の可能性についてまとめてくれているので、氏の許可を得た上で紹介。なお、これから紹介する内容は Tonny Vanmunster 氏の記事をベースにしてはいますが、私がネット検索で見つけたその他の情報も補足的に用いています。

This article is based on the amazing article by Tonny Vanmunster. English readers, please check his original article "Overview of possible Future Meteor Storms".

ぎょしゃ座α流星群 - 2007年8月末~9月初頭

ぎょしゃ座α流星群は、1935年、1979年、1980年、1986年の8月末~9月初頭に小規模の出現が観測された突発性流星群。 Robert Lunsford 氏が、2007年に突発出現があるかもしれないと指摘している。それ以上の詳細は現段階では不明。

Robert Lunsford 氏の原文を見ると単に outburst とのみ書いてあり、出現規模については言及されていない。もしかすると例年よりは高いレベルの(小規模の)突発といった程度なのかも?

2007/6/13 追記: より具体的な情報がわかりました。

突発予想日時: 9月1日(土) 20時20分頃 (日本時間)
  出現規模: 最大で ZHR 100 程度 (ただしそれより多いと見る人もあり)
  特記事項:
   月明かりあり。火球が多い可能性あり。
   日本で輻射点が昇るのは22時頃。
  ソース: http://www.imcce.fr/en/ephemerides/phenomenes/meteor/DATABASE/Alpha-Aurigids/2007/index.php (英語)

流星雨と言えるほどの出現ではないようですが、火球 (極めて明るい流星) が多いかも、という点には期待です。ただ、もしこの予想通りならたとえ突発出現があったとしても日本では見られない可能性が高いかもしれません。でも、それでも淡い期待を抱きつつ楽しみに待ちたいですね。

りゅう座γ流星群 (ジャコビニ流星群) - 2018年10月

13年毎に大出現を見せることで知られるジャコビニ流星群。最近では1998年にアジア~日本で突発出現があった。出現数はZHR (理想条件下で観測されたであろう流星数) にして瞬間最大・数百個/時程度であった。しかし、明るい月明かりがあり、日本では放射点高度も低かったため、日本で実際に観測された流星数は瞬間最大100個未満/時にすぎなかった。また、この出現は事前予想よりも4~8時間程度も早く、しかも短時間で終わったため、事前予想の時刻を狙って観測に臨んだ人の多くが見逃した。

2018年には、この流星群の母天体であるジャコビニ・ツィナー彗星が地球軌道と彗星軌道との交差点を横切ったそのわずか22.7日後に地球がその場所を通過する。流星専門家の Joe Rao 氏の計算によると、このときの彗星と地球軌道の距離は 0.017 天文単位 (月・地球間の平均距離の約6.5倍)。これは、1933年のヨーロッパにおける大出現(1時間あたり数千個)と1985年の日本における大出現(1時間当たり数百個)の中間的な条件であり、大出現の期待が大きい。

しかしその Joe Rao 氏の別の記事によると、流星群の出現をかなり正確に予報することができることで近年注目されてきているダスト・トレイル理論による計算では、2018年の大出現の可能性は低いかもしれない、とも言われる。

なお、ジャコビニ流星群の大出現は通常短時間のみであるため、たとえ大出現があるとしてもそれが日本で見られるとは限らない。

シュヴァスマン・ヴァハマン彗星関連流星群 - 2022年5月末

5.4年周期で太陽のまわりを巡るシュヴァスマン・ヴァハマン彗星は1995年に太陽に接近した際に分裂を起こし、その際に大量のダストを放出したと考えられている。その後も2000年・2006年に太陽に接近した際も分裂を繰り返し、現在は数十個に分裂していることが知られる。

Hartwig Luethen 氏、Rainer Arlt 氏、および Michael Jaeger 氏らの研究によると、2022年5月末に、1995年の分裂で放出されたダストに地球が接近し、その際に流星群の大出現があるかもしれない、と言われている。予報ピーク日時は世界時で2022年5月31日午前4時55分。月明かりもなく好条件だが、残念ながらこれは日本時間では同日の午後1時55分つまり真昼間であり、出現が短時間で終われば日本では見られない可能性が高い。

ただし、西オンタリオ大学の天文学者である Paul Wiegert 氏の研究によると、出現は小規模に留まるかもしれない、という話もある。

ペルセウス座流星群 - 2028年8月中旬

2001年のしし座流星群の大出現を高精度で予測したことで知られる Esko Lyytinen 氏の研究によると、2028年のペルセウス座流星群は流星嵐クラスの出現になる可能性が高いという。予報ピーク日時は世界時2028年8月12日午前5時30分。これは日本時間では同日午後2時30分であり、残念ながら真昼間。観測条件が最も良いのはアメリカだが、残念ながら強烈な月明かりがあるため、観測できる流星数は大幅に減ってしまう。

まとめ

このように、流星群の大出現というのは極めて珍しいものです。大出現そのものが珍しい上に、出現時間が日本の夜にあたり、月明かりもなく、しかも晴れているという全ての条件を満たすことは、一生に一度あるかないかのことと言っても過言ではわけです。2001年にしし座流星群の大出現を見られた人たちは、そんな幸運に恵まれた人たちというわけですね。

なお、流星群の予報というのは極めて困難なものです。近年ではダスト・トレイル理論によりある程度信頼性の高い予報ができるようになったとはいえ、それとて完璧とは言えません。ピーク時刻や出現数が予報とは大幅にずれたり、あるいは予想が全く外れて出現がほとんど見られなかったりする可能性は大いにあります。逆に、誰も注目していなかった流星群が大出現を起こすことだってあり得るでしょう。その点は注意しておいて下さい。

参考資料 -- References

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