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March 03, 2008
スパイ衛星の破片の大気圏再突入を見たい - Trying to obeserve reently of debris of destroyed spy satellite USA 193
日本時間2/21日の昼に米軍が制御不能になっていたスパイ衛星 (USA 193) を太平洋上のイージス艦から発射したミサイルで撃墜したのは皆さんご存知の通り。撃墜の瞬間の映像がコレ (YouTube より):
ばらばらになった衛星の破片の大半はすでに大気圏に突入し、燃え尽きたと見られているが、まだ軌道を周回中の破片も数多くあり、そのうち主要なものの軌道要素が http://www.space-track.org/ から入手できるようになっている。そして、Space-Track から入手した軌道要素を元に、Orbitron という人工衛星観測支援ソフトで作図した、日本時間3/4日21:00における破片の推定位置がこちら:
運がよければ、これらの破片が大気圏に再突入して燃える様子が目撃できるかも? でも、いつ頃再突入するんだろう? ということで、SatEvo v0.51 という人工衛星再突入推算ソフトを使って、個々の破片のおよその再突入日時を推算してみた。(続きを読むをクリック)
I tried prediction of decay date/time of debris of USA 193 by using SatEvo v0.51, based on elset from http://www.space-track.org/ ...
※私は専門家ではなくいち天文ファンに過ぎません。記載内容には誤りが含まれる可能性がありますのでご了承下さい。
First of all, I am just an astronomy fan, and not an expert. Thus, I could be wrong.
SatEvo v0.51 で人工衛星の再突入を推算する際、Solar flux (F10.7 index) と Q-Factor という2つのパラメータを手動で設定する必要がある。これらの値が適切でないと、信頼できる結果は得られない。
太陽活動の活発さを表す Solar flux (F10.7 index) については、http://www.nwra-az.com/spawx/f10.html を参考に F70 を用いたが、問題は Q-Factor。これは空気抵抗の影響の受け易さを示す値 (多分) で、対象ごとに個々に異なる値を設定する必要がある。
私の場合は、Space-Track の軌道要素は、1日あたり2回程度更新されていることを利用した。
具体的には、ある衛星 (破片) について、発表日時の異なる複数の軌道要素を用意し、ひとつのファイルにまとめておく。そして、そのファイルを SatEvo に入力し、異なる軌道要素から得られる推算結果がほぼ同一になるように Q-Factor を手動で調整してみた。
衛星番号 32511 の破片について Q-Factor を調整してみた例がこちら (1つの破片につき2つの軌道要素×10組をひとつのファイルにまとめてあるので、20個 (10組) の結果が表示されている):
I used solar flux index of F70 based on http://www.nwra-az.com/spawx/f10.html. And I adjusted Q-Factor so that results from two different elsets of same object with different epochs are approx. same. Example of obj #32511:
Decay が再突入推定日時を示す。この場合の結果は 約 08065.85。これは、08年の65日目、小数点以下はその日の時刻を示す。65日目が何月何日にあたるか、というのが (Date) の表示。2008年3月5日。あとは、小数点以下を時間に変換すれば良い。時間に変換するには、小数点以下を24倍すればOK。0.85×24=20.4 時。さらに時の小数点以下を60倍すれば分が得られる。0.4×60=24 分。つまり、約 08065.85 は、2008年3月5日の20時24分頃 を意味する。これは世界時 (UTC) 表記なので、日本時間 (JST) に直すために9時間をプラスすると、日本時間2008年3月6日 05時24分頃 となる。
現段階 (3/2夜) において複数の軌道要素が入手できた41個の破片について推算してみた結果がこちら:
Current (Mar. 2nd) decay estimation for 41 debris of USA 193:
| Obj# | Q Fac. | Decay | Date/Time (UTC) | Date/Time (JST) |
| 32506 | 0.6106 | 08060.52 | 2008/02/29 12:28 | 2008/02/29 21:28 |
| 32502 | 0.7778 | 08061.13 | 2008/03/01 03:07 | 2008/03/01 12:07 |
| 32504 | 0.8824 | 08061.15 | 2008/03/01 03:36 | 2008/03/01 12:36 |
| 32516 | 0.6416 | 08061.45 | 2008/03/01 10:48 | 2008/03/01 19:48 |
| 32546 | 0.8224 | 08061.57 | 2008/03/01 13:40 | 2008/03/01 22:40 |
| 32518 | 0.7166 | 08061.89 | 2008/03/01 21:21 | 2008/03/02 06:21 |
| 32520 | 1.3724 | 08061.98 | 2008/03/01 23:31 | 2008/03/02 08:31 |
| 32526 | 0.7083 | 08062.20 | 2008/03/02 04:48 | 2008/03/02 13:48 |
| 32514 | 0.5999 | 08062.36 | 2008/03/02 08:38 | 2008/03/02 17:38 |
| 32541 | 0.2229 | 08062.54 | 2008/03/02 12:57 | 2008/03/02 21:57 |
| 32533 | 0.7733 | 08062.55 | 2008/03/02 13:12 | 2008/03/02 22:12 |
| 32537 | 0.9343 | 08062.97 | 2008/03/02 23:16 | 2008/03/03 08:16 |
| 32536 | 0.7132 | 08063.64 | 2008/03/03 15:21 | 2008/03/04 00:21 |
| 32544 | 0.5928 | 08064.48 | 2008/03/04 11:31 | 2008/03/04 20:31 |
| 32530 | 0.2055 | 08064.71 | 2008/03/04 17:02 | 2008/03/05 02:02 |
| 32531 | 0.1928 | 08064.83 | 2008/03/04 19:55 | 2008/03/05 04:55 |
| 32535 | 0.7006 | 08064.99 | 2008/03/04 23:45 | 2008/03/05 08:45 |
| 32534 | 0.1925 | 08065.05 | 2008/03/05 01:12 | 2008/03/05 10:12 |
| 32524 | 0.0427 | 08065.28 | 2008/03/05 06:43 | 2008/03/05 15:43 |
| 32543 | 0.0835 | 08065.34 | 2008/03/05 08:09 | 2008/03/05 17:09 |
| 32515 | 0.1258 | 08065.50 | 2008/03/05 12:00 | 2008/03/05 21:00 |
| 32527 | 0.1427 | 08065.55 | 2008/03/05 13:12 | 2008/03/05 22:12 |
| 32508 | 0.7481 | 08065.62 | 2008/03/05 14:52 | 2008/03/05 23:52 |
| 32507 | 0.1186 | 08065.74 | 2008/03/05 17:45 | 2008/03/06 02:45 |
| 32511 | 0.9583 | 08065.85 | 2008/03/05 20:24 | 2008/03/06 05:24 |
| 32510 | 0.0936 | 08065.86 | 2008/03/05 20:38 | 2008/03/06 05:38 |
| 32525 | 0.2538 | 08065.87 | 2008/03/05 20:52 | 2008/03/06 05:52 |
| 32509 | 0.2858 | 08065.95 | 2008/03/05 22:48 | 2008/03/06 07:48 |
| 30529 | 0.2702 | 08065.96 | 2008/03/05 23:02 | 2008/03/06 08:02 |
| 32505 | 0.1883 | 08066.09 | 2008/03/06 02:09 | 2008/03/06 11:09 |
| 32519 | 0.3120 | 08066.14 | 2008/03/06 03:21 | 2008/03/06 12:21 |
| 32545 | 0.3308 | 08066.28 | 2008/03/06 06:43 | 2008/03/06 15:43 |
| 32538 | 0.1302 | 08066.44 | 2008/03/06 10:33 | 2008/03/06 19:33 |
| 32539 | 0.5567 | 08066.61 | 2008/03/06 14:38 | 2008/03/06 23:38 |
| 32512 | 0.0876 | 08067.27 | 2008/03/07 06:28 | 2008/03/07 15:28 |
| 32540 | 0.3886 | 08067.31 | 2008/03/07 07:26 | 2008/03/07 16:26 |
| 32542 | 0.1686 | 08067.44 | 2008/03/07 10:33 | 2008/03/07 19:33 |
| 32517 | 0.4302 | 08067.55 | 2008/03/07 13:12 | 2008/03/07 22:12 |
| 32528 | 0.2824 | 08067.62 | 2008/03/07 14:52 | 2008/03/07 23:52 |
| 32503 | 0.5325 | 08075.23 | 2008/03/15 05:31 | 2008/03/15 14:31 |
| 32532 | 0.4599 | 08076.71 | 2008/03/16 17:02 | 2008/03/17 02:02 |
Do not assume that this result is accurate. This is nothing but a rough estimation. Even about debris that will decay soon, there might be an error of plus/minus 24 hours. If decay date is farther, error is more. I might update results including results for additional debris, so please recheck this page if you like.
この結果がどれぐらい信頼できるかは専門家ではないのでわからない。再突入日時が近いものについては、±24時間ぐらいの精度で合ってればいいな、といった感じ。それだけの精度で合っていれば、その日の夜に観測すべき対象を絞る目安ぐらいにはなるだろうから。
日が離れているものについては、全然合ってない可能性が極めて高い。追加の破片の結果も含め、新しい軌道要素で再計算した結果を紹介していくかもしれない (しないかもしれないが) ので、興味があればこのページを適宜再チェックしてみて欲しい。
観測のやり方
まずは、再突入推算日時を参考に、その日の夜に再突入しそうな破片を絞る。そして、Orbitron 等を用いてそれらの破片の上空通過時刻を調べ、その前後に夜空を見上げよう。個々の破片は、一晩あたり1回程度、各地の上空を通過する。
Orbitron の使い方に関しては、横浜こども科学館による使い方紹介ページ を参照。
破片の軌道要素は、Space-Track から入手する必要があり、Orbitron には Space-Track から軌道要素をダウンロードする機能が搭載されている。ただし、Space-Track にユーザー登録し、ユーザー名とパスワードを得ておく必要があるので注意。ユーザー登録のやり方は省きます。
破片は、Orbitron では USA 193 DEB という名称で表示される。衛星番号を調べるには、こちらの画像 の赤枠部分を参考に。
破片の高度が下がるにつれて、破片の位置は Orbitron での推定位置より前寄りになる。よって、最新の軌道要素を用いた上で、上空通過推定時刻の20~30分前から観測すると良いかも。また、破片が燃えるのは多分約100kmかそれ以下の高度であると思われるので、可視範囲は Orbtron での表示よりかなり狭くなり、見える高さ (地平高度、迎え角) も低くなると思われるので注意。
そして、過度な期待はしないこと。おそらく、ある破片の再突入が見られる確率は 1% にも満たない。大き目の破片が数十個あるといっても、そのうちいずれかひとつでも見られる可能性は10%もないのではないだろうか。たとえ連日快晴の空の下、がんばって挑戦したとしても、である。人工衛星の大気圏再突入なんて、一生に一度見れるかどうかの代物であり、近日中に再突入が見込まれるスパイ衛星の破片がいっぱい回っている今現在は、その確率が若干高くなっているという程度に過ぎないわけだ。
仮に見えたとしても、どれぐらいの明るさかはわからない。フットボール大より大きな破片は無い、という話なので、あまり派手な見え方は期待できないかもしれない。
それでも (むしろ、だからこそ) そこに夢やロマン、科学的意義・興味を見出せるなら、がんばって繰り返し挑戦すべし。夜空を見上げない人には決して見られないのだから。
ビデオカメラやデジカメで撮影する場合は、事前に機器の時計を正確に合わせておくべし。観測された位置や日時が正確に記録できれば、貴重な科学的データになり得ます。
最大の好機はこの先5日間ぐらいまでかな。しかし私の住むここ富山県の週間予報、最悪なんですが。ううっ・・・。もし見えたらぜひ教えてくださいね。
補足情報
Space-Track は、大き目の人工天体の大気圏再突入予報を掲載している (残念ながら今回のスパイ衛星の破片の再突入予報はないが)。ホームページにアクセスしてログイン後、Current Decay Predictions を要チェック。
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