2009.10.26

天文 : 10/20日夜の謎の天体、正体判明 (Object Identified)

20091023_uko_crop.jpg ▲ 30 sec exposure from Oct. 20, 2009, 23:47 JST (GMT+09:00) / Canon EOS Kiss Digital N (350D) / Canon EF 24mm F2.8 at F2.8 / ISO 1600 / Tracked with Takahasi EM-1 equatorial mount) / Location

In the night of Oct. 20, 2009 (Japan time), during observation of Orionid meteor shower, I saw a point like flash with magnitude of 1st or 2nd. Luckily, it was caught in my photo. I had no idea about what this is... But the object is successfully identified!

10/20日夜、オリオン座流星群の撮影中、オリオン座の下のほうで一瞬何かが光ったような気がした。光は点状で、明るさは1~2等級ほどだったろうか。一瞬光っただけで消えてしまった。気のせいかと思ったら、しっかりデジカメ画像に写っていた。その正体は見当もつかななかったが、幸いにもその正体を突き止めることに成功した。

ガンマ線バーストや超新星爆発といったとんでもない現象も一応疑ったが、違うようだ。そうなると、一番の可能性は静止流星 (停止流星) に思えた。流星が、偶然にも観測者の方向に向かって真っ直ぐ飛んできたために、見かけ上点状に見える、という奴だ。これはとても珍しく、今回のような完全な点に写ることはほとんど無いが、あり得ない話でもない。

そこで、SonotaCo Network の掲示板で、該当する流星が捉えられていないか聞いてみた。SonotaCo Networkは、UFO Captureという動体検出・動画キャプチャーソフトをベースとして流星の多地点同時ビデオ観測を行なっているグループで、多数の流星の三次元経路を素早く算出している。全ての流星が観測されているというわけではないが、もしかすると該当する流星が捉えられているかもしれない。

しかし残念ながら、該当は無いとのこと。深夜なので人工衛星の可能性も薄いし、やっぱりよくわからないという。でも、やはり人工衛星なんでは? という指摘も出た。

そう言われてみて気付いたが、そういえば発光点の位置は天の赤道に近い。

One of members of SonotaCo Network suggested that possibility of flare of a satellite.

20091023_uko_all.jpg

オリオン座の三ツ星のあたりが、ちょうど天の赤道だ。発光点の位置はそれよりやや南側。このあたりには、静止衛星がいっぱい存在する。軌道高度の高い静止衛星であれば、深夜でも地球の影に隠されること無く太陽光が当っている。これらの衛星は普段は肉眼ではとても見えないほど暗いが、偶然にも反射角の条件が揃えば、肉眼ではっきりわかるほど極端に明るく見える、ということはあり得る話だ。

Yes, location of the flash is near to the equatorial line. So it is possibly a flare of geostationary satellite. Geostationary satellites are high, so they do not enter the shadow of the earth even at midnight. They are usually very dim, but they could shine as bright as 1st magnitude, sometimes.

そこで人工衛星位置推算ソフト Orbitron を起動し、該当日時にその付近にある人工衛星を調べてみた。すると、ANIK E1 (1991-067-A)という静止衛星が最も近いことがわかった。そして、時間を変えながら位置の変化を調べてみると、発光が撮影された時刻より約2分早い 10/20 23:45:21 頃には、位置がほぼ完全に一致することが判明した。

By using Orbitron software, I found that geostatonary satellite ANIK E1 (1991-067-A) was at the almost exact location of the flash, at Oct. 20, 23:45:21 JST (GMT+09:00:00). It was 2 mins prior to the recorded time of the flash.

20091025_anik-e1_orbitron.jpg

▲ Orbitron による 10/20 23:45:21 の ANIK E1 の視位置。Orbitron には残念ながら星図描画機能が無いので、ステラナビゲータ 8.1 による星図を合成してある。

20091025_anik-e1_chart.jpg

▲ ANIK E1 の推算位置と発光の観測位置の比較。円が発光の観測位置、+が ANIK E1 の推算位置を示す / Circle indicates approx location of the flash, + indicates estimated location of ANIK E1.

しかし時間は2分もずれている。これは小さくない誤差だ。そこでカメラの内蔵時計をチェックしてみたら、2分早かった・・・orz ということで、時間的にも一致。ANIK E1 のフレアという結論でまず間違いないだろう。

Difference of 2 mins is not very small. So I checked clock of my digital camera... It was 2 mins fast than real time... So I can conclude that the flash was a flare of geostationary satellite ANIK E1. Thank you very much for members of SonotaCo Network!

SonotaCo Network の掲示板によると、毎晩のように夜空を自動ビデオ観測していると、静止衛星の発光と思われる現象は結構撮影されることがあるという。それでも、SonotaCo Networkのメンバーでも知らない人は知らなかった。それほど珍しくはないが、それなりに珍しい現象と言うことか。

SonotaCo Networkの皆さんに感謝!!

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