2009.10.23

天文 : NHKのスーパーハープカメラが嫌い

私はNHKのハイビジョン・スーパーハープカメラが嫌いなのであった。これは要するに高感度ハイビジョンカメラで、天体の撮影でよく用いられるのだが・・・映像はコマ送りだし画質もいまいち。流星の撮影では流星本来の動きが再現できない・・・。

その昔、「銀河宇宙オデッセイ」というNHKスペシャルのシリーズがあって、この番組の中では天文台の大型望遠鏡にNHKの超高感度カラービデオカメラを取り付けて撮影した映像がよく登場した。鮮やかなカラー映像で、しかも滑らかに動くその映像には感動したものである。

しかし、ハイビジョンの時代になって、ハイビジョン・スーパーハープカメラで撮影した映像にはすごくがっかりさせられた。動きが全然滑らかではなく、コマ送りなのだ。画質面でも、ハイビジョン解像度相応の画質とは思えない。

おそらくは、解像度が上がった分だけ、感度の面ではかなり不利になっているのではないだろうか。だから足りない感度を補うための蓄光処理──数コマ~30コマ程度を加算合成し、表示コマ数を犠牲にして感度を上げる──に頼らざるを得ず、結果として映像がコマ送りになってしまっているのだと思う。それでも高感度撮影ではどうしてもノイズは多い。結果、解像感が低下し、高解像度という利点も活かせないわけだ。

一般的な天体撮影ならフレームレート (時間あたりのコマ数) の低さは大きな欠点ではない。天体は動かない対象だ。低いフレームレートで撮影したとしても、撮影時のカメラの動きがゆっくりになるように撮影した上で、再生時に高速再生してしまえば滑らかな映像が実現できる。そもそも、動画として撮影する意義があまりない。

だが、対象が流星となると話は別だ。高速で動く流星を、蓄光処理に頼った低フレームレートで撮影すると、長い線状に写ってしまう。これでは静止画撮影用の普通のデジカメで連射した画像を動画化したものと何も変わらない。感度面ではデジカメより上なのだろうが、画質面ではデジカメに遠く及ばない。

つまり、NHKのハイビジョン・スーパーハープカメラは、天体撮影用としては、映像が滑らかではなく、画質も半端な、とても中途半端なカメラということだ。

何より残念なのは、このつまらないカメラが、あの2001年のしし座流星群の大出現の撮影に投入されてしまったことだ。高速再生することにより、映像が滑らかではないという欠点は一応隠されてはいたが、流星が長い線状に写り、流星本来の動きが再現されないその映像を見て落胆したものである。先日のオリオン座流星群のNHK映像も、なんじゃこりゃ、という感じだった。

秒間30コマ、最低でも15コマで撮影してこその流星動画。

最近では安価な超高感度ビデオカメラが存在し、一般的な資金力のアマチュアであっても比較的手軽に流星動画を撮影できるようになった。これは2001年のしし座流星群の大出現でも存分に威力を発揮し、アストロアーツからDVDが発売されている。本当に貴重な映像なので、ぜひ購入して鑑賞してみて欲しい。

しかし、それはモノクロ映像に過ぎない。カラーで流星を滑らかな動画として撮影できるほどのビデオカメラは、おそらくアマチュア向けでは存在しないし、プロ用機材としてもなかなか無いだろう。NHKのハイビジョンの超高感度カラービデオカメラは、それが可能な貴重なカメラだった。

だが、2001年のしし座流星群の大出現の際、NHKは、解像度は劣っても滑らかな超高感度カラー動画撮影が可能なそのカメラではなく、解像度だけは高いがコマ送りにならざるを得ないハイビジョン・スーパーハープカメラを用いた。ハイビジョンという言葉だけにこだわった結果だ。

あの世紀の流星雨を滑らかなカラー動画として記録できていれば、と思うと残念でならない。たとえ解像度は劣っても、コマ送りの半端な画質のハイビジョン映像よりははるかに印象的な映像になったのではないだろうか。

最後に、静止画用デジタルカメラで連射した画像を動画化するという手法で美しい星空の動画を作っている方のブログを紹介したい。

流星の動きこそ再現されないが、ハイビジョンの解像度を真に活かした映像だと思う。NHKのハイビジョン・スーパーハープカメラの映像なんかよりよっぽど素晴らしい。

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