2011.01.09

エンターテインメント : 初代ヤマトの原案に近かった実写版ヤマト

実写版ヤマト (SPACE BATTLESHIP ヤマト)、公開直後はネタバレを避けるために内容にはあまり触れなかったが、そろそろ書いてもいい頃だろう。

先述の通り、バトルスター・ギャラクティカの猿真似が多すぎるのにも閉口したが、何が一番納得行かなかったかというと、、、

「ヤマト」を見に行ったのに、「さらば」だったこと

ですな。「必ずここへ帰ってくる」という歌詞の通り、沖田艦長以外の主要登場人物が困難を乗り越えて皆生還する初代「ヤマト」と、主要登場人物が次々と死に、最後には特攻で主人公までもが死んでしまう「さらば」とは別物だと思っている。

実写版では、前半は「ヤマト」でも、後半はまるっきり「さらば」そのものだった。一番重要な部分が「さらば」である以上、この実写版は「さらば」であって「ヤマト」なんかじゃないのだ。

でも実はこの実写版ヤマト、「ヤマト」の原案に近いらしい。原案では、「さらば」同様に主要登場人物が次々と散っていき、最後にはヤマトが特攻するという内容だったし、ガミラスとイスカンダルの設定も、実写版のそれに近いものだったようだ。

それを「必ずここへ帰ってくる」ヤマトに変えたのが、企画途中から加わり、監督を務めた松本零士だったらしい。

つまりは実写版ヤマトというのは、松本零士が居なかったら初代ヤマトはこうなっていたかも、というのを再現した、二次創作作品みたいなもんであるようだ。

松本零士と西崎義展が袂を分かったため、両者のテイストを両方とも組み入れた形でのヤマトは作れなくなった。よって、実写版を作るにあたっても、松本零士テイストは廃するしかなかったわけでしょうな、きっと。

とはいえ、当時のボツ設定を今の時代に復活させて、大金をかけて再現する。正直、こんなの意味が分からない。

私は多分、ヤマトファンというわけではない。子供の頃にもヤマトはよく見てたけど、内容はおぼろげにしか覚えておらず、大人になってから改めて通して見て、ようやく全容を知ったみたい感じ。

しかし、私は松本零士の大ファンである。松本零士といえば、多くの人にとって「ヤマト」であり「999」かもしれないが、私にとっては「キャプテン・ハーロック」であり、「ザ・コクピット」(戦場まんがシリーズ)であり、「ワダチ」であり、そして何と言っても「トラジマのミーめ」だったりする。

「ワダチ」「トラジマのミーめ」はあまり知られていない作品かもしれないけど、私はこの2作こそが松本零士の最高傑作だと思っている。どちらも1冊でまとまっているので、ぜひ入手して読んでみて欲しい。

そんな私なので、松本零士テイストが廃された「さらば」「実写版」は、どうしても好きになれないわけです。

実写版ヤマトの監督は、当初は樋口真嗣氏が予定されていた。樋口真嗣氏が監督した「ローレライ」「ヤマト」とは直接関係の無い実写映画だったが、「ヤマト」の影響を強く受け、松本零士テイストを多分に含んだものだったように思う。

この「ローレライ」こそ、ある意味では「ヤマト」の実写版そのものだったかもしれない。

樋口真嗣氏が実写版ヤマトの監督を外されたのは、もしかすると松本零士テイストを組み入れた「ヤマト」を作らせないためだったのか・・・と私は勝手に思っている。

なお、ヤマトの原案についての話は、以下のブログがめっちゃ面白かった。少々長いですが、ぜひご一読を!

Category: エンターテインメント

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