2011.01.26

雑想 : 「仰げば尊し」原曲歌詞の歌える日本語訳を作ってみた

卒業式ソング「仰げば尊し」の原曲および原詩が判明したらしい。19世紀のアメリカの曲で、原題は "Song for the Close of School"、ずばり「卒業の歌」で、日本版同様に卒業式ソングらしい:

この原曲の歌詞の、歌える日本語訳を作ってみた:

卒業の歌

  1. 今こそ別れめ また会うまで
    ここから旅立ち 世をさまよう
    幼き友らは 過去に生きる
    神の御国で また会うまで

  2. さよならこの部屋 笑顔の日々
    集いの歌声 午後の祈り
    未来に夢見る この思い出
    幼き日々の この教室

  3. さよなら愛する 我が友らよ
    心の絆は 今日解かれる
    心は満ちゆき 涙溢れ
    今こそ別れめ いざさらば

対訳に近く、かつ歌える日本語訳として作ってみました。「仰げば尊し」から借りた部分が浮いてる印象になってしまっているので、これについては改善の余地がありますが、全体としてはまずまず良い感じに出来たかと。

原詩がこちら:

Song for the Close of School
Words by T. H. Brosnan,

  1. We part today to meet, perchance, Till God shall call us home;
    And from this room we wander forth, Alone, alone to roam.
    And friends we've known in childhood's days May live but in the past,
    But in the realms of light and love May we all meet at last.

  2. Farewell old room, within thy walls No more with joy we'll meet;
    Nor voices join in morning song, Nor ev'ning hymn repeat.
    But when in future years we dream Of scenes of love and truth,
    Our fondest tho'ts will be of thee, The school-room of our youth.

  3. Farewell to thee we loved so well, Farewell our schoolmates dear;
    The tie is rent that linked our souls In happy union here.
    Our hands are clasped, our hearts are full, And tears bedew each eye;
    Ah, 'tis a time for fond regrets, When school-mates say "Good Bye."

日本版の「仰げば尊し」とよく似た感じの歌詞ではありますが、キリスト教色が強いのが印象的ですね。直訳がこちら:

  1. 私たちは今日別れ、まためぐり逢う、きっと、神が私たちをその御下へ招く時に。
    そしてこの部屋から私たちは歩み出て、自らの足で一人さまよう。
    幼年期から今日までを共にした友は、生き続けるだろう、過去の中で。
    しかし、光と愛の御国で、最後には皆と再会できるだろう。

  2. さよなら古き部屋よ、汝の壁の内で、楽しく集うことはもう無い。
    朝に声を揃えて歌うことも、午後の賛美歌も、もう繰り返すことはない。
    だが、幾年も後の未来に、私たちは愛と真実の場を夢見る。
    私たちの最も大切な思い出は、汝、幼き日々の教室となるのだろう。

  3. さよなら私たちがかく愛した汝よ、さよなら親愛なる級友たちよ。
    私たちの魂を、幸せなひとつの繋がりとしてきた絆は解かれた。
    私たちの手は固く握られ、心は満ち、そして目には涙をたたえ。
    ああ、これぞ惜別の時、級友たちの言葉は「さよなら」。

(※ この対訳は、某百科事典に掲載されていますが、当ブログがオリジナルであり、某百科事典のものは無断転載です。)

原詩1番にある "May we all meet at last" の "last" は、"Last Judgment" つまり「最後の審判」を意味するものでしょう。世界の終わりにイエス・キリストが再臨し、あらゆる死者をよみがえらせて裁きを行い、天国に招かれて永遠の生命を与えられる者と、地獄に墜ちる者とに分けるというものです。これを踏まえて、誰もが天国に招かれるように善く生きて欲しいという願いが込められているわけですね。

Google Books

この原曲が掲載されている書籍 "THE SONG ECHO" のスキャンが、Google Books で全ページ無料公開されていました:

全260ページ超に膨大な数の歌が掲載されており、しかも "A large proportion of the music and words are new, and published for the first time"、つまりこの本が初出の曲が多いのだそうです。凄い本ですね。

Google Books では、各地の図書館と提携して、膨大な量の書籍をデジタル化し、著作権切れの絶版書籍に関しては無料公開しています。この "THE SONG ECHO" の場合は、"THE LIBRARY OF UNIVERSITY OF CALIFORNIA" が提供元のようです。

もしかすると、今回の発見をした一橋大学の桜井雅人先生は、この Google Books から本書を発見したのかもしれませんね。Asahi.com の記事には、ネット上で見つけた旨が記載されていますし、記事に掲載されている楽譜の画像にも Google の文字が見えますので、その可能性は高いでしょう。

Categories: 雑想 / 音楽・作曲

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