2012.07.21

エンターテインメント : 小説「南極点のピアピア動画」レビュー

野尻抱介先生による小説「南極点のピアピア動画」 (レビュー、書評、感想) は、夢あふれる明るい近未来を超楽天的に描く力強いSF。全4話から成る連作。1話と4話のラストが映像的に美し過ぎる。ミクさんマジ天使!

話のスケールのインフレーションが痛快。1話は現実世界のニコニコ動画で進行中の計画の延長線上、3話は地味と思ったらいきなりぶっとぶ。現実の延長から話を発展させてるので、そんな未来が何だか本気で実現できそうな感覚に。

さて、ミクさんをよく知らない人向けに補足を。私もミクさんの世界には最近触れるようになったばかりのにわかなので若干的はずれな解説かもしれませんが。ネタバレはありません。

本作は、ニコニコ動画を拠点として現実世界で巻き起こっている「初音ミク現象」を扱った近未来SFです。

初音ミクさんといえば、合成音声で任意の歌を歌わせることができるという音楽制作ソフト。このソフトの登場により、アマチュアによるボーカル曲の作曲が大いに盛り上がりました。

曲は作れても生声で歌を入れるのはちょっと、という理由がひとつ。でもそれよりは、盛り上がりの中心となる共通のキャラクターを得たということがきっと大きいんだと思います。

で、その影響は音楽だけに留まらず、作られた曲にプロモーションビデオを作るために映像制作というジャンルもブーストされ、さらにその映像制作を支援するためのソフト開発なんかもブーストされ。

さらには、音楽とは直接の関係が全くない分野でまで、ミクさんを中心に据えて色々と盛り上がっていたりするわけです。

例えば、そのひとつが、ミクさんを超小型人工衛星に積んで宇宙に打ち上げようというプロジェクト。その目的のために様々なスキルを持つ人々がニコニコ動画を拠点として集まり、実現に向けて大まじめにプロジェクトを進めています。それも、どうせやるなら単なるお遊びではなく、科学・工学的に意味のある衛星にしよう、と。

なぜそんなことをするのか。それは単に「面白いから」!

こういったことは、全て本作の作中にて紹介されていますし、わざわざ解説として書くことでは無いかもしれません。ただ、作中で紹介されているそういった現象が、作中よりスケールは小さいとはいえ、現実世界で実際に起こっているんだ、という点を知っておくと、本作をより楽しめるのではないかと思います。

冒頭の動画は、本作の作中で使用されている、malo さんのオリジナル曲「ハジメテノオト」。その楽曲に、puni-ko さんが3DCGでプロモーションビデオを付けたのがこの動画です。

もう一本紹介。本作とは直接の関係はないですが。

初音ミク現象をひとつのきっかけとしてプロへの道を歩むことになった方が作った、ミクさんのためのバースデーソング。初音ミク現象を理解する上でとても良い動画だと思います。

Category: エンターテインメント

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