2014.01.14

エンターテインメント : 映画「永遠の0」に不快感

映画「永遠の0」観てきました。私にとっては不快な映画でした。とても。

どこが酷いかというと、主要登場人物以外のステロタイプな描写の酷さです。戦中の軍人たちも、現代の若者たちも。

映画の終盤でこういうセリフ (うろ覚え) が登場します。「私たちだけが特別だったんじゃ無い。あの時代は誰もが皆、それぞれのドラマを持っていたんだ」と。

その通りでしょう。

でもね、

果たしてこの映画は、このセリフの重さをしっかりと考えた上で作られたものでしょうか。ここに至るまでにさんざんステロタイプな酷い描写を見せられていましたので、全くそうは思えず、このセリフは映画の中では白々しく響きました。

この映画には、主要登場人物以外の軍人たちが当時、何を思って戦いに臨んでいたか、という視点が完全に抜け落ちてるように思えます。それを考えたのなら、こんな偽善的な設定・ストーリーの映画はそもそも作れないと思いますね。

同様のことは「真夏のオリオン」でも感じました。戦中を知らない戦後の人間が、浅い覚悟で、こうすりゃ感動するだろうという商業的な計算を使って、戦中のフィクションを描くとこうなってしまうという悪例、という印象です。

そもそもあの大駄作「実写版ヤマト」の山崎貴氏が監督というだけでお察し、なのでしょう。

(※「永遠の0」原作小説は未読です。原作ではまた違った印象なのかもしれませんが、映画版が酷かったので原作を読もうという気は起きません。)

最後に、私的にオススメの国産の戦争ものフィクションを紹介。

松本零士「THE COCKPIT (戦場まんがシリーズ)」は、二次大戦を題材とした読み切りシリーズです。OVA版はそのうち3話をアニメ化したもの。OVAの原作話以外にも名作揃いですので、ぜひとも読んで欲しい作品。小学館文庫版は、昔の単行本には未収録だった作品も収録した完全版。ただし若干の台詞修正等があるようです。

この作品は、あくまでもエンターテインメント作品であり、必ずしもリアルな戦争を描いてはいません。その点では「永遠の0」とかも一緒なのですが、しかし松本零士は戦争を実体験した世代です。父親は陸軍の戦闘機パイロットだったそうです。戦争ものという題材に挑む覚悟が、戦中を知らない世代とはやはり違っているのだと思います。

松本零士先生のこのシリーズは、そういうことを感じさせられる作品です。

松本零士といえば「ヤマト」「999」「ハーロック」が有名ですが、私としては、真の代表作は、「THE COCKPIT」「ワダチ」そして「トラジマのミーめ」だと思うのでした。このうち「トラジマのミーめ」は猫が主人公の動物漫画です。しかし単にかわいいだけで無く、とても考えさせられる内容になっています。

Category: エンターテインメント

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